PTAが疑似科学や健康ビジネスと親和性が高いらしいというのは、koumeさんの「農家こうめのワイン」で拝見しましたが、いやはや。私ごとき頓珍漢が語るのもなんですが、思い出し語りです。
食育講演会があるよとチラシを渡され、講師を見ると(株)玄米酵素社員の方ではないですか。なんと無料でお話しして下さる。ああ~行きたくないです。あちらは講師、こちらは一般ピーポー。がちんこで勝負しても、観客は「そうは言っても、講師の方がおっしゃることだし」的な反応がカタいです。
しかし行かないと、「講師の人の言ってることってうさんくさいよね。」という人がいないかもしれません。講演会その場で玄米酵素を売らなくても、悪質商法の一つである催眠商法に近い催しであることは ほぼ確実です。ただでさえ給与水準の低い僻地で、子供の健康や食育に関心の深い善女たちがお金を巻き上げられるのかと思うと。。。。
砂かぶりというか、最前列近くで受講。いやあ、ものすごくお上手です。正しいこと、事実(小学校講堂で玄米酵素社員が講演した画像とか)、一般的に信じられている健康知識をちりばめつつ、その間をトンデモでつないでいき、「ま・ご・は・や・さ・し・い・こ」。最後の「こ」は、酵素です。でんぷんのりが、酵素を含んだみそを混ぜることによってサラサラ状態になるところを見せます。「しかし、酵素はタンパク質ですから、熱に弱いです。味噌汁のみそをといたら、煮立たせてはいけません。」
こどもの健康を守るのはお母さんです、お母さんがんばって!というような あたたかいメッセージに場内大盛り上がりで講演終了。さあ、質疑応答の時間です。こんなに場内が一体化して盛り上がっているところに、「かくかくしかじかの理由で、先ほどまでの講義はウソだと思います。」なんて発言したら、友達をなくしそうです。健康食品を会場で販売するわけではないので、追及も説得力を持ちません。ほんとに、お上手です。
講師の退場を待ち、タンパク質である酵素は酸にあっても活性を失う(固まってしまう)こと、胃の内部は消化や病原菌の殺菌のために強い酸性であること、食べ物のタンパク質は大き過ぎて小腸の壁を通り抜けられないこと、タンパク質はアミノ酸に分解されて小腸の壁を通り抜けて細胞内でタンパク質に合成しなおされること、ゆえに、仮に酵素が胃の酸でやられずに小腸の壁を通って体内で作用するとしたらそれは何か小腸の病気の状態であろうし酵素は免疫細胞に攻撃をうけるであろうこと、高いお金を払って玄米酵素を飲んでも結局は豚肉やお豆腐を食べたのとと同じになってしまうことをお話ししました。
すると、まあ、あまり反応は良くないです。そりゃそうですよね。経歴もわからない人から突然言われても、信じられなくてあたりまえです。仕方がないので続けます。
聞いていただけただけでありがたい。みなさんはいい大人なのだからご自分で判断していただきたい。ただ、私としては、「○○は健康にいいよ」という話があったら、その反対の「○○は健康にいいというのは違うよ」という説の両方をはかりに載せて考えていただけたらと思う。○○いいよだけで判断するのは危険だと思う。今の私の話を聞いて、その上でみなさんが大人として判断されることであれば、それはそれでよいと思う。
なんだか空気がゆるみました。よかったよかった。他にもつっこみどころ満載ではあったのですが、たくさんしゃべると「うるさばばあ」みたいだし、とりあえずほんの少しでも玄米酵素購入のモチベーションを冷ますことができたのであればよいと思います。できてなかったりして(涙)。
だいたい、酵素を錠剤型や顆粒状に製品化する段階で、活性失ってると思うんですが?????食品なのに、なんらかの滅菌の工程はないのでしょうか???
追記:空気がゆるんだと書いてしまいましたが、ちょっと省いたことがありますので追記します。発言後、立ち位置をはっきりさせてほしいという要望があったので経歴をご披露。その後、「その食品を売ろうという人と こういう経歴の人であれば、こちらの人の言うことを私は信じようと思う。」と発言してくださった方がいました。このフォローがなければ、空気はゆるまなかったと思います。あの時のありがたいという思いは、きっといつまでも忘れないでしょう。
川端裕人氏に自分を重ねるのはおこがましいのですが、川端氏がゲーム脳著者と対決したお話
森昭雄氏の世田谷区講演リポート.
「あなたの方がおかしい」と森昭雄氏に言われるの巻(世田谷区のゲーム脳講演リポートその2).
「わたしも検索をしていただきたい」と主催者は言った(世田谷区のゲーム脳講演リポート3)、身につまされます。いくら正しいことを言っていても、走り出した群衆心理を止めるのは難しいです。そして、川端氏のケースでも、フォローする方は いました。日本も捨てたものではないかもしれません。
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