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2009年1月

待合室を総合情報センターに(「診療研究」443号版)

脊椎と骨盤骨折の入院をしたとき、楽しい経験をしました。臨床研修病院だったため研修中の先生の利用する図書室が併設されていて、そこで自分のケガに関連する本をいっぱい見たんです。専門過ぎて分からないなりにも、「お医者さんって本当にすごい!」と思いました。知らない世界を覗いて、ワクワクしたのを覚えています。

そんな経験から、医療機関の待合室へ、医療を扱った書籍を寄付する運動を始めました。待合室が、医療に関する「総合情報ステーション」だったらいいな、と思うのです。鉄は熱いうちに打てと申します。ふだん普通に生活しているうちは健康や医療に関心がない人でも、いざ自分が患者になったら関心を持たざるを得ません。医療に対するアンテナが、グングン伸びている状態---そう考えると、そんな患者さんたちが過ごしている待合室での時間って、けっこう貴重なものだと思いませんか?

たとえば---。

書架の一部に、「診察の前後にこんな本を読んでいてくれたらいいな」という先生ご推薦の参考書を置いていただくのはいかがでしょう。

私なら、「ロハス・メディカル」「医療の限界」「まちの病院がなくなる」「死ぬのはこわい」「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」「最高の医療をうけるための患者学」「受診する通院する入院する!120の患者術」「日々是よろずER診療」---などをイメージします。

あるいはお子さん向けには、体や栄養についての学習マンガ。

待合室にパソコンを設置して、医療について参考になるブログ・ホームページや、患者会の情報を入れ、患者さんに自由に見てもらう。

そんな待合室がどこにでもあれば、患者さんは簡単に医療に関する知識を深めることができます。ちょっと環境を整えてあげるだけで、患者さんはたくさんの大切な知識を持って帰ることができるのです。

 

 さて、そんな私の活動の実績。個人で細々ツテを頼る事情のため、まだ2冊止まりです。

 「そんな待合室ちょっといいかもしれないな」とお思いの先生、そして患者さん。どうかこの活動に加わっていただけないでしょうか?

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骨髄移植キットの署名

世の中って不条理ですね。

アンフェタミン先生の『骨髄採取キットの署名活動』より。電子署名は現場からの医療改革推進協議会http://spreadsheets.google.com/viewform?key=pqieimcJLRy0uIomKE4-eZwより。

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アルファブロガー・アワード2008

取り上げるのが遅くなってすみません。ancomochiさんの「非医療者に知ってもらいたい医療10ヶ条」とLUPO先生の「妊娠の心得11カ条」がノミネートされています。どちらも、できるだけたくさんの方の目にとまって欲しいので、投票しました。投票は2月8日までこちらからです。ancomochiさん、LUPO先生、がんばって!

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「ラディカル・ホスピタル」「ロハス・メディカル」の嫁ぎ先

病院の待合室も捨てがたいのですが、ご近所で顔見知りの床屋さんに置いていただくのもいいかもしれないと思い始めました。家人が手放してよくなったら、以前寄付した「クレヨンしんちゃん」との入れ替え、打診してみます。手始めに、「ロハス・メディカル」を2冊お持ちして、東日本の毎日新聞・山形新聞・新潟日報・秋田魁新報の販売店経由で入手可能ですとお話ししました。

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わたし、出すわ

1月11日日本経済新聞23面に、森田芳光監督のオリジナル映画「わたし出すわ」(年内公開予定)の紹介記事が。森田監督のお言葉

「お金をばらまくとか施すとかいうのとは違う。ふだんそういうことをしない人がちょっと勇気を出して『わたし出すわ』ということが発想の原点だった」

「今の日本にとって、五百円でも千円でも出すことで何かが変わると思うことはとても重要」

なんというか、ぐっときました。もしも医療崩壊阻止につながるような本を待合室にご寄付くださった方がいらっしゃったとしたら、ご一緒にぐっときましょう!o(*^▽^*)o

「待合室を総合情報センターに」をご提案しております。)

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マンガ「ラディカル・ホスピタル」おもしろすぎです

源氏星さん、ご紹介ありがとうございます。1~3,5,6,8巻を読みました。源氏星さんご推薦なので、内容に医療者の方のツッコミは少ないと思いますが、実際のところどうなんでしょうか?

ホノボノしてるのが問題といえば問題でしょうか。過労死寸前・訴訟ぎりぎり・今日もまたクレーマー対応、の殺伐とした雰囲気、という感じではないです。

入院中に読めば、爆笑したりちょっとドキッとしたりして、いいかもと思いました。入院中って世界が狭くなってしまって、客観的に自分を見ることができなかったけれど、「ラディカル・ホスピタル」で爆笑しながら自然と反省できたら、イイですよね☆。

外来に置いたとしても、横山禎徳先生おっしゃるところの「医師も一般人と変わらずタイプがあることを知る」であるとか「一般人も医師とのかかわり方に関する知恵が増す」の良循環の一部になると思います。

「そうかも!」とお感じの方、お近くの病院へ「ラディカル・ホスピタル」のご寄付をお願いするわけにはまいりませんでしょうか。

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医療に関係ありませんが、なんじゃこりゃビジネスの基本は「弱い脅し」?

ひとつ前の記事で、(株)玄米酵素の食育講演会を書きました。見事だったのは、「玄米酵素を買いましょう」と一言も言わないこと。玄米食の効用を説き、酵素の効用を説き、あたかもどちらも健康維持に必須であるかのような印象を与えます。そして、「玄米食」「食事はすべて手作り」「酵素が効かなくならないように、みそ汁を煮返したりしない」のが大切だと刷り込みます。

そんなの、100%実行なんて、できないに決まってるじゃないですか。玄米を炊くのは手間だし、手作りにこだわるあまりカリカリしたお母さんになるくらいならお総菜や冷凍食品を買うし、酵素の必要量をきちんと示されないのに摂らないとだめなんて言われれば不安がふくらむばかり。

ではその隙間をどう埋めるか。ああ、玄米酵素買おう、と思う方が出てきても不思議ではないですね。「海馬」の池谷裕二先生が、

「脳は世界を勝手に解釈する」

「私たちはその解釈から逃れられない」

とおっしゃっていたのを思い出します。「情報を隠して悟らせる」テクニックです。ほんと、食育講演の構成の巧妙さに舌を巻きました。

同じようなテクニックを、親野智可等氏にも感じます。「「親力」を持つ親」像、「子供にやさしい親」像に近付くように、受容や共感を示しながらいろいろと教えて下さる。しかし、そんな理想的な親になんてなれません。じゃあどうするか。星座かるたとか朝日小学生新聞とか、メルマガで紹介された商品に手を出しちゃうんじゃないでしょうか。すみません、そういいながらも私、朝日小学生新聞とってるし、小学館NEO図鑑買っちゃいました…。

信者っぽいひとというか熱烈なファンがいるようによそおう人は、「あきんど」かもしれない~と思います。だから何?ですか?すみません、書いてみたかっただけです。

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崩壊とは関係なく、健康食品の話

PTAが疑似科学や健康ビジネスと親和性が高いらしいというのは、koumeさんの「農家こうめのワイン」で拝見しましたが、いやはや。私ごとき頓珍漢が語るのもなんですが、思い出し語りです。

食育講演会があるよとチラシを渡され、講師を見ると(株)玄米酵素社員の方ではないですか。なんと無料でお話しして下さる。ああ~行きたくないです。あちらは講師、こちらは一般ピーポー。がちんこで勝負しても、観客は「そうは言っても、講師の方がおっしゃることだし」的な反応がカタいです。

しかし行かないと、「講師の人の言ってることってうさんくさいよね。」という人がいないかもしれません。講演会その場で玄米酵素を売らなくても、悪質商法の一つである催眠商法に近い催しであることは ほぼ確実です。ただでさえ給与水準の低い僻地で、子供の健康や食育に関心の深い善女たちがお金を巻き上げられるのかと思うと。。。。

砂かぶりというか、最前列近くで受講。いやあ、ものすごくお上手です。正しいこと、事実(小学校講堂で玄米酵素社員が講演した画像とか)、一般的に信じられている健康知識をちりばめつつ、その間をトンデモでつないでいき、「ま・ご・は・や・さ・し・い・こ」。最後の「こ」は、酵素です。でんぷんのりが、酵素を含んだみそを混ぜることによってサラサラ状態になるところを見せます。「しかし、酵素はタンパク質ですから、熱に弱いです。味噌汁のみそをといたら、煮立たせてはいけません。」

こどもの健康を守るのはお母さんです、お母さんがんばって!というような あたたかいメッセージに場内大盛り上がりで講演終了。さあ、質疑応答の時間です。こんなに場内が一体化して盛り上がっているところに、「かくかくしかじかの理由で、先ほどまでの講義はウソだと思います。」なんて発言したら、友達をなくしそうです。健康食品を会場で販売するわけではないので、追及も説得力を持ちません。ほんとに、お上手です。

講師の退場を待ち、タンパク質である酵素は酸にあっても活性を失う(固まってしまう)こと、胃の内部は消化や病原菌の殺菌のために強い酸性であること、食べ物のタンパク質は大き過ぎて小腸の壁を通り抜けられないこと、タンパク質はアミノ酸に分解されて小腸の壁を通り抜けて細胞内でタンパク質に合成しなおされること、ゆえに、仮に酵素が胃の酸でやられずに小腸の壁を通って体内で作用するとしたらそれは何か小腸の病気の状態であろうし酵素は免疫細胞に攻撃をうけるであろうこと、高いお金を払って玄米酵素を飲んでも結局は豚肉やお豆腐を食べたのとと同じになってしまうことをお話ししました。

すると、まあ、あまり反応は良くないです。そりゃそうですよね。経歴もわからない人から突然言われても、信じられなくてあたりまえです。仕方がないので続けます。

聞いていただけただけでありがたい。みなさんはいい大人なのだからご自分で判断していただきたい。ただ、私としては、「○○は健康にいいよ」という話があったら、その反対の「○○は健康にいいというのは違うよ」という説の両方をはかりに載せて考えていただけたらと思う。○○いいよだけで判断するのは危険だと思う。今の私の話を聞いて、その上でみなさんが大人として判断されることであれば、それはそれでよいと思う。

なんだか空気がゆるみました。よかったよかった。他にもつっこみどころ満載ではあったのですが、たくさんしゃべると「うるさばばあ」みたいだし、とりあえずほんの少しでも玄米酵素購入のモチベーションを冷ますことができたのであればよいと思います。できてなかったりして(涙)。

だいたい、酵素を錠剤型や顆粒状に製品化する段階で、活性失ってると思うんですが?????食品なのに、なんらかの滅菌の工程はないのでしょうか???

追記:空気がゆるんだと書いてしまいましたが、ちょっと省いたことがありますので追記します。発言後、立ち位置をはっきりさせてほしいという要望があったので経歴をご披露。その後、「その食品を売ろうという人と こういう経歴の人であれば、こちらの人の言うことを私は信じようと思う。」と発言してくださった方がいました。このフォローがなければ、空気はゆるまなかったと思います。あの時のありがたいという思いは、きっといつまでも忘れないでしょう。

川端裕人氏に自分を重ねるのはおこがましいのですが、川端氏がゲーム脳著者と対決したお話
森昭雄氏の世田谷区講演リポート.
「あなたの方がおかしい」と森昭雄氏に言われるの巻(世田谷区のゲーム脳講演リポートその2).
「わたしも検索をしていただきたい」と主催者は言った(世田谷区のゲーム脳講演リポート3)、身につまされます。いくら正しいことを言っていても、走り出した群衆心理を止めるのは難しいです。そして、川端氏のケースでも、フォローする方は いました。日本も捨てたものではないかもしれません。

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ブログタイトルから「@毎日新聞は買えません」をはずします

毎日新聞英語サイトの問題を知ってから、当ブログ名に「@毎日新聞は買えません」をつけていました。今年はちょっと忙しくなりそうなので、目を離しているうちに毎日新聞の方向が改まると、@以下をつけて放置しておくのは悪いです。新年ということと、@以下が待合室に本を寄付する活動に悪影響があるのではというアドバイスもいただいたので、@以下を削除します。いつもうろうろしていて、申し訳ないことです。

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単純な話は、まゆにつばをつけて

あけましておめでとうございます。みなさまの ご健康と ご多幸をお祈りいたします。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ところで、松永和紀blog「市民は、どのようにして科学者を見分けたらよいか?」http://blog.goo.ne.jp/wakilab/e/a5b34da0ef09e90ede9aa3dcfd28601bを読んでいて、「単純な話は疑おう」というくだりに思わず膝を打ちました。

私は単純ですので、2018年 菊花病院2018年 地中海病院みたいになってしまうくらいなら、もともとふつうの医療者の方のモラルは高いわけだし(でなければ平均寿命・健康寿命の説明がつかないと思います)、「診療関連死=刑法に問わない」でもいいんじゃないかと思っていました。

しかし、医師の同僚批判を知ると、一般患者にはリピーター医師であるかどうかはまったく評価できないのだとしみじみ思います。患者さんウケが良いケースなんて、お手上げです。

そこへもってきて、2008年10月31日第15回「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」の日本救急医学会の見解です。堤 晴彦先生のご発言に、胸をつかれました。

一部を引用すると、本意と違ったものになってしまうかもしれないので、できたら通しで読んでいただけるとうれしいです。「kempou38のブログ」さまに全文がhttp://ameblo.jp/kempou38/entry-10184340692.html掲載されています。といいつつ、一部引用です。赤字加工は忍冬です。

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 大綱案に反対する医師の中には、医療事故はすべて免責にしろ、という意見が
多くみられます。しかしながら、救急医学会は、そのような立場に立って、反対
している訳ではありません。悪いものは、悪い、という立場です。


 自民党のある議員が、救命救急医療に関連した医療事故は、すべて免責にする、というような見解を出されましたが、救急医学会は、その見解には全く乗っておりません。救急医学会の中で、そのようなことが話し合われたこともありません。
もちろん、その国会議員は、救急医療を何とかしなければ、という思いから、そ
のような発言をされたことと推察しており、その気持ちは嬉しく受けとめますが、
救急医学会の総意・真意ではございません。このことは、明言しておきます。

 日本救急医学会が問題にしていることは、医療の場合、何が業務上過失になる
のかが、良く分からないということであります。それ故に、医療側は、不安、不
満、そして人によっては、怒りとも言える気持ちになっているのです。その結果、
救急患者を診ない方が安全である、あるいは、大きな難しい手術は避けた方が安
全、という防衛医療・萎縮医療が加速しているのです。

(中略)

 一方、これまでに行われた医療事故の刑事裁判においては、医療側も、警察・
検察側も、そして、さらには、被害者のご遺族も、皆傷ついております。誰一人、
満足しておりません。

 私自身、医療事故被害者の会の主催するシンポジウムにも参加させて頂きました。広尾病院の被害者の永井さんの話も伺いました。胸を打たれる思いがあります。

 医療側のみならず、警察・検察を含めて、自らの組織の立場だけを考えずに、
もっともっと、踏み込んだ議論、そして、本音を語り、歩み寄って、より良き医
療事故調査委員会ができることを望んでおります。
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堤先生は、医療事故被害者の会の方や永井さんと、直接お話しになったのですね。自分のどこかに、ひとの尻馬に乗っていたところがなかったか、胸に手をあてています。今年は、自分の頭の中で、物事を単純な話にしてしまわないように気をつけたいと思います。

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